社会人から教員になった30代後半のおっさんブログ

社会人からふとしたきっかけで教員免許取得へ。

教員免許を社会人になってから取り直して就職活動をした話

 

タイトルの通り。

ふとしたきっかけで教員免許を取得しようと思い立ったわけです。その当時33歳。正直冒険ですよね。しかもその当時結婚しようかという話もしている時期でした。

 

で、どうやって教員免許取るの?

 

さらっと調べてみると、4年制の大学を卒業していて、教職課程を取ってない場合は2年間の通信授業で大学に在籍して、通信教育を受けて、たまに学校に授業を受けにいって卒業できる、とのこと。社会人でも途中までは可能と。なるほど。途中までは、というのは2年目に教育実習があるから、1ヶ月有給とか取れるなら別に問題ない、ってこと。こういうことで一番有名なのが佛教大学ですね。京都にあります。自分は中高の英語の免許取得だったのですが、実は音楽の教員免許と迷いました。しかし音楽は佛教大学の通信課程にないことと、そもそも教員になろうとした時に倍率が厳しい、という2点で諦めました。(関西だと大阪音大大阪芸術大学なら取れるみたいですね)

日本の中高教員ではピアノか声楽専攻で吹奏楽などの経験ある先生を求めるでしょうしね。自分は音楽の種類がまったく違うところでやっていたもので。

 

で、佛教大学の要項を調べてみたのですが、確かに普通に大学行くよりは断然安いし、時間の融通も効くから仕事もできるし。妻(入学後に結婚しました)にはちょろっとだけ説明して願書を出す。確か締め切りギリギリに送ったはず。3月くらいまでは願書を受け付けてくれてたのです。ありがたや。

 

実際に通信教育を受けてみると

 

1、レポート

基本的に授業には種類がありまして。基本のものは自分で課題となる教科書を読んで、設問に沿ったレポートを作成して提出するパターン。それでレポート提出すると、その科目の科目最終試験ってのに申し込みできる。提出すると、って書いてあるのはレポートの合否は問わずにとりあえず試験が受けられる、ってこと。

ちなみにレポートのみの科目もありますし、もし他の大学を出ていてそこでの単位が流用できる場合は事前に申請をするとその科目は合格したことになります。

 

2、科目最終試験

1ヶ月に4科目までレポートを提出することができるので、その翌月の試験も4つ受けられる。テスト自体は1時間1科目くらいの感じで2科目ずつ午前と午後に受けられる。

そこまでタイトなスケジュールではないので社会人でも余裕はあります。むしろレポートはしっかり教科書さえ読んで、設問に沿った答え方をすれば落とすことは少ないはずです。コピペしまくると弾かれるようですね。で、手書き限定でもありません。

パソコンで打って、そのままウェブ上で提出できます。ウィンドウズを持ってないとダメ、となってるんですが、自分はmacでやりました。正直wordでやるのがベストです。

詰め込めば土日を使って4科目、くらいは余裕で可能です。

 

テストの方は、範囲をかなり限定してくれているので事前勉強がしやすいです。シラバスに要点として絞って載せてくれていますのでそれを勉強する。

まあ、あとは科目最終試験はルーティンで6問くらいの問題から出ているみたいなので、前回の問題や午後に受けるならその日の午前の問題なんかは軽めにやってもいいのかもしれません。基本的には全て記述式で一切の持ち込み不可、おもて面は埋めるくらいの分量は必要とされているようです。6問を4科目分のテストがきついと思うかどうかですが、そうでもないと思われます。

4科目を難しそうな科目と取っつきやすい科目に分けておいて、午前午後にうまくバラしておいてもいいでしょうしね。

自分はテストに関しても前日にバーっと覚えるようにしていました。要点は事前に絞っておくと良いですね。その課程で覚えることもありますし。

科目最終試験もレポートもネット上に誰かのレポートが売られてますが、レポートの方はそういうものは使わない方がいいですね。単純に不正になるのと自分で文献見た方が勉強になるのと。科目最終試験のものは効率よくまとめられたものを勉強したい、という人にはいいかもしれません。

 

3、教科書は

買わないとできないものとそうでないものがあります。ウィンドウズのスキルとかは普通に社会人やってた人ならなんともないレベルだったり。憲法なんかも基礎知識があれば大丈夫ですので指定の教科書じゃなくてもいいかも。

ただし、佛教大学の教授の方が書かれていて指定されているものはその中からの出題ですし、本を読み込むことも求められているように思います。

年齢を重ねると「この教科書のここはなんか違う気がするぞ・・」ということも多々ありますが、まずは「こういう風に考えるやり方もあるな」というように一旦吸収するのも大事ですね。

 

スクーリングはどんな感じ?

 

年に数回スクーリングに行きます。これも事前に自分の都合の良い日を申し込めるので会社との兼ね合いもしやすいかと。京都なので遠方の人は宿泊です。全国各地から来られてますよ。スーツケースとか持ってる人も本当に多いです。兵庫、大阪、滋賀あたりは余裕で当日行ける、はず。雪とかあったらえぐいですけど。

ホテルは近隣のものは結構埋まるようですね。早めに取っておくといいですが、京都なんでちょっと離れたところでも公共交通機関がわんさかあります。

授業は9時からです。科目によって終わり時間は違いますが、一番長いので18時50分まで。短ければ昼過ぎに終わるものも。

9時からなんですけど、阪急大宮駅とかが最寄りなんですね。他の路線は覚えてないんですが、大宮から20分はバスに乗るのと、そのバスはそこまで頻繁に来ない。さらにスクーリングの日は非常に人が多いので結構ヒヤヒヤします。8時大宮に着くくらいで若干余裕が持てる程度。思い切ってタクシー使うのも良いかもしれません。年に数回ですからね。

 

佛教大学行きのバスもありますが満員になります。あとバス乗り場が餃子の王将さんの真ん前のところです。バス乗り場、たくさん点在してますので初めての方は要注意ですよ!)

 

教員志望の方がたくさん受けるスクーリングなので色々な人の境遇を聞くのも面白いですし、普段通信やと1人ですから進捗を共有したり、科目の知識量を増やすモチベーションになったりと、面白いものですよ。社会人経験者が多いので「年齢が・・・」なんて思う必要もなさそうです。4、50代の方もおられます。

なのでその辺も考慮してあるのか、グループワークをする授業が非常に多いです。まあ普通の講義ならウェブでもできますしね、そういう狙いもあるのかもしれません。

あと昼食は混んでるのが苦手な人は持参の方がいいでしょうね。食堂もコンビニも敷地内にありますが非常に混雑します。

喫煙者は構内の端っこにスペースがあります。10分休憩などで吸いに行くのは結構な冒険です。喫煙所ではなく卒煙スペースという名前だったかな。

 

今頃教育実習とか大丈夫か?という話

実は先生の友人知人が多いので色々聞いてはいたのですが、40代の方とかも来られるようですので年齢は問題ないでしょうね。実際にスクーリングにも50代くらいの方もおられますし、30、40代が珍しいほどの割合ではありません。

実習に行ってもおそらく学校の方で担当教官を年齢が上の方なんかに割り当ててくださることがほとんどじゃないでしょうか。行く側は教官は「先生」ですから学ぶ姿勢しかないのですが、教官側が萎縮することも考えると妥当でしょう。

出身校にお願いするのが基本になりますが、自分は出身地と居住地がかなり離れていたので、出身地近くで探しました。出身大学に付属高校があったのでそこに事情を説明して話をすると受け入れてくださいました。受け入れ校にはメリットなんか無いので、本当に感謝しかありませんね。

ちなみにその他の近くの学校に1校だけ電話しましたが、卒業生以外は受け入れられない方針だ、と断られました。

でもね、この辺割と楽観視してます。100件くらいかければ受け入れてくれそうな気もします。(営業的な仕事をしていた経験からの感触ですが)教育委員会経由なんて方法もあるみたいなので色々チャレンジするといいでしょうね。

 

実際の教育実習の現場は?

自分は高校に1ヶ月お世話になりましたが、ネットで見るように寝る暇も無い、何てことはありませんでした。授業見学や実際の自分の授業もしつつ、細々した雑務など行っていましたが、17時過ぎにはほぼ帰っていました。というか、これは担当教官にもよるでしょうね。指導案なんかもすんなり「これでいいよ」と通してくださる先生でしたし、何よりも、やってみなけりゃわかんらんだろ、というスタンスの先生でしたので非常に助かりました。部活の方も専門ではない部活にあたっており、かつ生徒が自主的に練習をするような空気の場所で、ほとんど顔を出しても意味がない、という。

部活指導を熱心にやったとしても下校時間がありますから7時、8時くらいには皆帰っていたようです。ただし、学生さんの実習生は仲良くダラダラするのも楽しいでしょうから、それもまた良いでしょうね。実習生は10人ほどいまして、既卒が自分ともう一人の2人でした。けども10人まとまって仲良くワイワイやってました。まあ、コミュニケーション能力も皆それなりにある人たちだったので、今でも飲みに行ったりする仲間ですね。年齢は全然違うけど。

生徒との関わりも特に生徒が一線引いてくるわけでもなく、まあ何というか普通、です。自分はいじめの相談を受けるくらいにはコミュニケーション取れてましたね。何だかこの事件はモヤモヤしましたけども。連絡先聞いてきたりとかあるのはさすが現代っ子、と思います。

 

就職活動は?

私学なのか公立なのかで変わるでしょうね。公立でもちゃんと勉強してそれなりにコミュニケーション能力があれば何とかなるんじゃないだろうか?とか思ってます。年齢制限も最近は結構上限上がってますしね。

私立は年齢と教員未経験ということで落とされる場合は多々あります。けども資格などでそれをカバーもできますね。私学の供託機関などに登録をしておくと連絡をくださることもかなりあります。もちろん地方によるでしょうが、常勤講師でのお誘いもたくさん頂けます。私学適性検査で良い成績を取っておくとめちゃくちゃ電話がかかってきます。これは専任教諭の条件なども多いです。

ただこれも教科によるのかもしれません。やはり音楽や芸術系ではそこまで募集が多いわけではなさそうです。

 

就職活動は自分の場合5校ほど受けました。書類で落とされたところもありました。これは年齢や未経験というのもあったかもしれませんが、その当時はTOEICの書けるスコアが低かったのでこれも原因の1つだと思います。ってかそうでしょうね。レベル低い未経験の教師なんか欲しくないですよね。

 

1校は常勤、非常勤を共に募集しているところを受けましたが非常勤で採用との結果でしたので、お断りしました。非常勤から慣らしていくのも手かなーなんて思ったりもしましたが、常勤で働いているとこれで良かったと思っています。

びっくりしたのは2人同時に面接だったこと。英語で面接なんですが、隣の人が英会話学校勤務の方だったので超流暢。対抗するにはどうすべきか?と考えて結果超シンプルに無駄話の一切ない英会話で乗り切りました。というかそれしかできなかった。。

 

他にも面接のみの学校もありましたし(常勤採用)、ちゃんと公立と同じような試験を受けたり(常勤)、と様々でしたね。模擬授業もありました。緊張するよなーと思ってましたが、そうでもないと思います。

というか教育実習などで人前で授業したことある人なら問題ないと思います。デカい声で、ポイントを押さえて、板書を丁寧に大きくすれば良いのかと。ただICT全盛になりそうな時代に板書がどうとか、どうでもいい気もしますけどね。それを言ってしまうのも1つかもしれません。

 

自分は卒業と免許取得が確定してから就職活動をしたので秋冬くらいでしたが、6月くらいから採用はありますよね。ただ、辞める人たちの話なんかを聞いていると秋冬で十分な気もしています。近場だけで探す人や、公立で講師の掛け持ちで、と考えている人たちは講師登録しておくと良いでしょう。自分は割と都会?の方だったので3月の中旬以降でもかなり頻繁に連絡がありました。就職難ってほんまかいな?と思いましたよ。

 

転職してみて思ったこと。

想像通り、特殊な世界ではあります。特に転職の方達は違和感を覚えることが多いでしょう。自分の場合、派遣企業の内勤をしていた時期、音楽をやっていた時期、障害福祉をしていた時期もあったり、震災のボランティアでしばらく現地にいたり、様々な場所を経験してきました。

若い頃は障害のある人のことなんか考えもしませんでしたが、様々な経験を積んで考え方はよりフラットになったと思います。派遣の手配をしていた頃は人を商品として見るような仕事ですもんね。仕事できない、遅刻する、そういう人をただの「怠け」だと決めつける傾向にありました。しかし経験を積むとそうではないことがわかってきます。

教育現場では軽微な障害のある子どもたちだってたくさんいます。それが障害、と名のつくものかはさておき、それが個性でもあるわけです。

これを「できないやつだ」と決めつける人も多くいます。

社会を経験せずに「学校」でしか生きてこなかった人たちの哀れな末路だと思っています。幅の狭い見方ですよね。

これがまかり通るのが学校という世界だと思っています。

仕事の効率の悪さなんかもありますが、やはり自分が一番に違和感を覚えたのはこのポイントです。(学校によりますけどね)